トルコカッパドキア殺人事件-女子大生死傷
■ 最終更新■
速報情報 – 随時更新
・12/11速報-ファーティフ・ウヤル被告(23)に終身刑判決。
・9/13速報-車と自転車がぶつかって口論になったことが動機と発表。
・9/13速報-ディラベルさん釈放。ファティヒ・ウヤル容疑者を逮捕。
・9/12速報-別の男が、栗原さんのカメラを所有。真犯人か?
・9/11速報-寺松さんの容体は回復してきているが、症状は依然重い。
9/13速報 – 真犯人を逮捕
9月13日未明、ムスタファ・ボルカン・ディラベルさんの後に拘束されていた男、ファティヒ・ウヤル容疑者(ファティフ・ウヤルという報道も)が逮捕されました。ディラベルさんは即時釈放。
ウヤル容疑者は「自分の車が2人の自転車とぶつかり口論となり、カッとなってやった」「自分ひとりでやった」などと供述。現場から約10kmの位置にある川で、凶器も発見されました。ウヤル容疑者の自宅からは、2人から奪ったとみられる現金(日本円が11万円)とカメラも見つかっています。
トルコの地元記者によると、ディラベルさんとウヤル容疑者の2人は、近い親戚だといいます。そのほか、「共犯の可能性は関係ない。最初の人は全く罪がない。2番目に捕まった人が事件の全容を現場で全て明らかにしました」などということを日本からの取材で言っています。
寺松さんがディラベルさんの顔を直接確認したといいますが、親戚ということもあり似て見えたのかもしれません。
ディラベルさんや親族は捜査に不信感を募らせており、トルコ当局を訴えることも検討中とのことです。
9/10速報 – 容疑者とみられる男を拘束【9/12更新】
※以下、一部誤った情報がありますが、事件の展開をお知りになりたい方のために、あえてこのままにしておきます。ムスタファ・ボルカン・ディラベルさんは無実です。
トルコ警察の関係者は、殺害現場を猛スピードで走り去った不審な車を運転していたとみられる男を拘束し、取り調べを進めていることを明らかにしました。
男の名前はムスタファ・ボルカン・ディラベル容疑者。26歳の無職、過去に逮捕歴があり、現場から約8kmほどの位置にあるユルギュップという町で身柄を確保されたそうです。ディラベル容疑者は事件への関与を否認。
ディラベル容疑者は有名な極悪人らしく、地元の人は「地元ではよく知られている男だ。最近、刑務所から出所し、再び姿を見かけるようになった。観光客に声をかけたりしていたので、トラブルにならないかと心配していた」と話しています。
一部報道では、2人の男が拘束されていると言われていますが、現時点(9/11 14:59)での正式発表ではディラベル容疑者1人のみしか拘束されていない模様です。(あくまで正式な公開発表がされていないだけで、実際には2人の男が拘束されている可能性が高いように思います。)→ディラベル容疑者とは別の男が拘束されていることが、正式発表されました。その男は栗原さんのカメラを所有しており、真犯人である可能性が高いとのことです。(共犯の可能性もあり)
ただし、寺松さんが「襲われた際、相手は1人だけだった」と証言しておりますので、どちらかは冤罪、もしくはどちらかは車の運転手役、などということになるのかと思います。
栗原さんらが襲われたゼミ渓谷付近にある喫茶店の店主によると、栗原さんと寺松さんは9月9日の正午すぎ、渓谷に向かう小道を歩き始めたといいます。店主があいさつすると、「後で寄りますね」と笑顔で答えたそうです。
その後、地元ナンバーで赤色の乗用車が小道に入り、約1時間半後に猛スピードで走り去ったのを目撃しました。運転していたのは若い男で、東へ向かっていたといいます。栗原さんと寺松さんは、小道脇で血を流して倒れていたのを発見されました。
ディラベル容疑者拘束に関しては、警察が寺松さんへ男の写真を見せたところ(直接会わせたという報道もあり)、寺松さんが『犯人だ』という証言をしたことから、緊急拘束したとのことでした。容疑が固まり次第、逮捕する方針です。
トルコの地元メディアによると、事件とオリンピックの招致活動は関係ないといいます。
(9/12追記→)トルコ当局は11日、容疑が固まったとして、ディラベル容疑者を逮捕しました。
※ここまで、一部誤った情報がありますが、事件の展開をお知りになりたい方のために、あえてこのままにしておきます。ムスタファ・ボルカン・ディラベルさんは無実です。
事件の詳細【9/10 17:50更新】
トルコ中部にあるカッパドキアで9月9日、観光に訪れていた女子大生2人が何者かに首を刃物で刺され、1人が死亡・1人が重体となりました。金品などが奪われたかどうかは不明。
地元メディアによると、2人はカッパドキアのゼミ渓谷を散策中に襲われたといいます。犯人は現場から逃走。
トルコの警察当局は逃亡した犯人の行方を追っているそうですが、9/10 17:50現在、犯人の国籍、単独犯か複数犯かなど、情報は何一つ明らかになっていません。
襲われた女子大生2人はともに新潟大学の教育学部、学習社会ネットワーク過程の4年生でした。
宮城県名取市出身の栗原舞さん(22)が死亡、富山県上市町出身の寺松星絵さん(22)が重体となっています。栗原さんの遺体は、首都アンカラの司法施設に検死のため搬送。
寺松さんは意識が無い状態で国立病院に搬送されましたが、手術を終え、集中治療室で手当を受けています。→意識が回復し、一般病室へ移行し治療を続けています。
2人は国際交流の経験を積むため、夏休みを利用して、トルコのカッパドキアに行っていたといいます。9月6日にトルコに向けて出国しており、19日に日本に帰国する予定でした。
事件現場は当時、人気が無かったとみられ、地元メディアによると事件の発生時刻や犯人の人数、国籍、性別、動機など何一つ明らかになっている情報は無いといいます。首を切られて倒れている2人を発見した別の観光客が通報して事件が発覚しました。
死傷した2人は以前から国際交流に熱心に取り組み、それぞれ金融機関への就職も内定していたといいます。これから社会へと羽ばたき、輝く未来へと新たなスタートを切ろうとしていた矢先に起きた、大変残虐な重大事件です。
寺松さんの両親は現地に出国予定、新潟大学は現地に職員を派遣することを検討中とのことです。
先日オリンピックの開催地が決まったばかりの祝賀ムードの中起きた今回の事件。色々なところで、「オリンピックの開催地がイスタンブールではなく東京に決まったことによる腹いせか」という意見が飛び交っており、トルコの各関係機関には事件の全容解明を急いで欲しいと思います。
9/10 17:50時点、判明している情報
・目撃者はいない。
・2人は首を切られていた。
・犯人の手がかりは一切なし。
・2人はバギー車をレンタルしていた。
・他の観光客が、倒れていた2人を発見・通報。
・襲われた場所は、観光の穴場スポットであるゼミ渓谷という場所。
トルコ、カッパドキアとは?
西洋と東洋の文化が融合するトルコは、世界6位の観光大国で、毎年約20万人の日本人が訪れるといいます。そのうち、約7割の日本人が訪れるのが、カッパドキアです。
カッパドキアとは、トルコの首都「アンカラ」の南東に位置する大地を指し、キノコ岩やカイマクル地下都市など数多くの世界遺産が点在しています。
特に、熱気球に乗ることで、上空からキノコ岩などを眺めるツアーは人気を集めています。
・1985年、ユネスコ世界遺産に登録
・イスタンブールと並ぶ人気スポット
・キノコ状の奇岩、渓谷、地下都市などで知られる観光地
・標高1000メートル超
・観光客は年間で約250万人
・去年の日本人観光客は約15万人
・日本との時差は6時間
・イスタンブールから約570km、バスで10時間ほどの位置
事件現場となった「ゼミ渓谷」とは?
・最も有名な観光スポット「ギョレメ」から約1kmにあるスポット
・観光よりはハイキングなどに訪れる場所
・迷いやすいので通常はガイドと行動する
・周囲は森しかないので、人目につきにくい場所
・欧米人には人気だが、日本人はあまり行かない場所
亡くなった栗原舞さん(22)の人柄
・新潟大学教育学部4年生
・責任感のある人
・国際交流に熱心で、優秀
・世界的に活躍してきた学生
・思いやりがあり、話しやすい人
・海外の危険性は十分承知していた
・海外経験も豊富で、語学能力も優れている
・明るく元気で勉強もでき、男女両方から人気
・日本と中国の交流事業で中心的な人物だった
遺族、関係者の方々のコメント
- 栗原さんの父親(宮城名取市の実家)
- 「まだ何も考えられず、信じられないだけです。トルコに行くって話は聞いていました。観光だと思います。大学の友達と」
- 栗原さんを知る学生や地元の同級生
- 「授業で意見を言い合ったりするんですけど、人の意見をきちんと聞いて『いいね』って言ってくれたりする人。話しやすい人」
- 「朝から凄いショックな出来事でした。交流事業の団長というだけあって、責任感があった人なのではないかなと感じました」
- 「(栗原さんとは)同級生で、ニュース見てびっくりしたんですけど、騒がしいなと思ったので気になってはいたんですけど。信じられないです。とても明るくて、勉強もできるし、明るくて元気で男女ともに凄く人気があった人だった。地元の子からも何人か電話がかかってきてたので、信じられない気持ちだったんですけど…」
- 寺松さんの父親(富山上市町の実家)
- 「全然想像していない事態ですので、とにかく唖然呆然(あぜんぼうぜん)としている状況です。安否・容体が分かっていないので、それが今1番、心配です。本人の憧れの国だったので、自力で見て回りたいと楽しみにしていました」
- 「(栗原さんとは)同級生で、よく旅行とかも行かせていただいていた。どういったケガの状態なのかも情報がないもので、少しでも早く現地に赴いて、自分の目で確かめることが先決かなと思います」
大学や政府のコメント
- 新潟大学の会見
- (副学長)「大変優秀な学生で、世界的に活躍をしてきた学生です。たぶんその総仕上げに向かう形でそれぞれ現地に向かって、単なる観光、ということではない形で行っているという風に認識しております。学生本人はもとより、ご家族をはじめ関係の方々には、ご心痛のこととお察し申し上げます」
- (担当教授)「彼女は、ベトナムにもインターンシップで行き、自分の足でアジアを回って、国際認識を高めてきた。もちろんそれに対応する語学能力を持っている人物。非常に残念です」
- (担当教授)「私どもとしましても、夏休みが明けたら2人が帰ってきて、ゼミで、あるいは他の授業で、トルコでの経験とか考えたこと、そこで会った人々について話をしてくれただろうと…」
- 管官房長官
- 「日本の大使館ではですね、現地警察からの情報収集に努めるとともに、日本大使館員1名および同現地職員1名を現場に派遣いたしました。邦人保護の観点から、ご家族への連絡など必要なことを今、懸命に行なっている」
- 在トルコ日本大使館
- 「犯人関係はこちらでも判然としていません。犯行自体を目撃していた者がおりませんので」
- ネブシェヒル県のジェイラン知事(事件現場)
- 「大変悲しい事件だ。警察当局は全力で犯人を見つけ出す」
- 「当局が捜査を開始しました。警察も犯人確保に努めています。ここで事件が起きたことは大変遺憾。速やかに犯人を確保したい。
旅行業関係者のコメント
- 現地在住のトルコ人ガイド
- 「(カッパドキアの)治安は全然悪くないところです。個人のお客さん、特に女の人には凄く安心なところなんです」
- 「15年ぐらい現地ツアーをしているが、カッパドキアは田舎の町で、観光客がこんな事件に遭ったことは聞いたことがない」
- トルコで旅行会社に勤務する日本人女性
- 「ゼミ渓谷はガイドブックなどには特に載っていないところです。小さな谷で、観光客がツアーで行ったりすることは全くないところ。カッパドキアは非常に治安はいいですし、お互いがお互いを知っているところなので、本当に今回の事件があってビックリしています。トルコは例年”世界で1番好きな国ランキング”のトップは日本なんですね。日本人というだけで尊敬されて、日本人は大好きなので、日本人が被害にあったということで非常に皆悲しんでいます」
パソコン画面(文字)が見にくい方へ
カッパドキアの「パ」は「PA」です。
◯カッパドキア=かっぱどきあ=KAPPADOKIA
×カッバドキア=かっばどきあ=KABBADOKIA