中3女子強殺事件で18歳少年逮捕-今後の流れ

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三重県朝日町の空き地で去年2013年8月29日、当時中学3年生だった寺輪博美さん(15)の遺体が見つかった強盗殺人・死体遺棄事件で、高校3年生の少年(18)が逮捕されました。

三重県警は3月2日午前より、この少年を重要参考人として警察署へ任意同行し、事情聴取を行なっていました。その結果、少年が寺輪博美さんを殺害し現金を奪うなどした容疑が固まったとして、強盗殺人などの容疑で逮捕したということです。

少年は、事件現場からわずか500mほどの位置に住んでいました。

この事件は、四日市花火大会に行っていた寺輪博美さんが帰宅途中に突如行方不明となり、警察が捜索したところ後日遺体となって見つかるとともに、財布の中の現金が奪われていたとされる事件です。

事件から丸6ヶ月以上が経っての急展開でした。警察は犯行動機や事件当時の状況などについて、少年をさらに追求する方針です。

当ページでは、少年逮捕後の流れなどを主にまとめていきます。

関連する罪名の法定刑(成人の場合)

死体遺棄罪…3年以下の懲役
強盗殺人罪…死刑または無期懲役

容疑者の少年のTwitter

仙石直也のTwitter

容疑者の少年の今後の流れ

(表①)少年逮捕~今後の流れ予想
時期 内容
3/2
午前~重要参考人として事情聴取
午後、強盗殺人罪などの容疑で逮捕
3/3
強盗殺人罪などの容疑で送検
検察が家庭裁判所に勾留請求
勾留開始(10日間)
3/12 勾留期限のためさらに10日間の勾留延長が行われる
3/22
勾留の最大期限
少年鑑別所送致(この日までに、さらに別の罪で再逮捕される可能性もあり)
5/19頃 少年審判(逆送の決定)
5/27頃 検察が容疑者の少年を起訴
公判前整理手続
公判手続(冒頭陳述・証拠調べ・論告・弁論など)
量刑・最終評議
判決
少年刑務所or少年院へ

上記の表(表①)に関する詳細解説

まず警察は容疑者を逮捕してから48時間以内に、検察へ容疑者の身柄を送致(これを送検という)しなければならず、検察官は送検から24時間以内に、裁判所へ勾留請求を行わなければなりません。

そして検察からの勾留請求を裁判所が認めた場合、まず10日間の勾留が確定します。

「10日間の勾留期間では事件に関する取り調べ等が終わらない」などの理由がある場合には、さらに10日間の延長をすることができ、1回の逮捕で最大20日間まで勾留することができます。(特殊な罪名の場合は25日間まで可能)

今回は強盗殺人などの容疑が確定したとして逮捕されていますが、殺害する前に何らかの暴行を加えていたとするならば、さらに別の罪で再逮捕される可能性もあります。その場合は、再逮捕されてさらに送検から繰り返すことになります。

逮捕→送検→勾留→延長勾留→再逮捕→送検→勾留→延長勾留、といった形です。

そのような形で警察と検察による取り調べが全て終了すると、容疑者は少年鑑別所へと送致されます。

そこで最短2週間~最大8週間(期間は2週間単位)にわたり収容され、少年の非行性や性格など様々な部分を「鑑別」します。平均期間は4週間となりますが、今回のような重大事件の場合、8週間にわたり収容される確率が高いとみられます。

そして準備が整い次第、家庭裁判所で少年審判(成人でいう裁判)が開かれることになります。

家庭裁判所の権限では少年院送致が最も重たい処分となりますが、非行内容が重大・年齢が20歳に近いなどの理由で、成人と同じ刑事処分に処すべきだと判断された場合、家裁が少年を検察官に送り返す「逆送(検察官送致)」を言い渡すことがあります。

逆送になった場合、原則として成人と同じような扱いを受けることになり、実刑判決を言い渡されれば刑務所へ服役することになります。

今回、容疑者の少年が犯した罪名は「強盗殺人罪」という、一般的に起こりうる犯罪の中では最も重たい犯罪のうちの1つです。

そのため、少年は逆送を言い渡される可能性が非常に高いです。

身柄を送り返された検察官は、逆送の決定日から10日間以内に起訴しなければなりません。

そこから裁判へと発展し、未成年ではあるものの成人と同じように公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。

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