東京大田区の公園に赤ちゃん放置-両親逮捕
■ 最終更新■
2014年2月10日 更新情報
・2/10速報-東京地裁は、2人に懲役3年の実刑判決を言い渡した
・1/15速報-検察は両被告に懲役4年を求刑。2014年2月10日に判決予定
・1/15速報-東京地裁で初公判が開かれ、両被告とも「間違いありません」と起訴内容を認める
・11/19速報-「妊娠していた時から遺棄することを決めていた」と供述
・11/19速報-長女を遺棄した保護責任者遺棄の罪で再逮捕
・11/19速報-長男いまだ発見されず(17:06時点)
・11/1速報-長男を「自宅近くの公園に捨てた」と供述(10:12速報)
・10/31速報-長男死亡後に引越し先で住民登録→長男の生存を偽装か
事件の詳細(10/31更新)
10月30日、生まれたばかりの女の赤ちゃんを公園へ放置したとして、保護責任者遺棄の疑いで30代の夫婦が警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは、東京都大田区田園調布本町に住む、無職の戸沼英明容疑者(32)と、妻でホステスの戸沼千恵美容疑者(31)です。
警視庁によりますと、2人は2011年3月6日、産まれたばかりの女の赤ちゃんを、東京都大田区大森西4丁目にある公園のベンチの上に遺棄した疑いが持たれています。
赤ちゃんはその日の午後10時ころに、通りかかった近所の住民により保護され、無事でした。衣服にくるまれており、へその緒もついたままの状態だったといいます。
戸沼容疑者らは警視庁の調べに対し、2002年と2010年にも出産した赤ちゃんを遺棄したと話しており、2010年に遺棄した女の赤ちゃんは、その後保護されていたことが分かっていますが、2002年に遺棄された男の赤ちゃんの安否に関しては分かっていません。
戸沼英明容疑者は「自分1人でやった。妻は関係ない」と一部容疑を否認し、戸沼千恵美容疑者は「夫と相談して2人で捨てました」「今回を含めて3人の子供を捨てた」「お金がなくて子供を育てられなかった」と容疑を認めています。
また、2002年生まれの長男については「埼玉県上尾市に住んでいた際に自宅近くに遺棄した」「2002年に生まれた後に死んでしまい、怖くなったので捨てた」「埼玉県内の、人が見つけられないような場所に捨てた」などと話しているそうです。
11年前からの流れ(11/19更新)
月日 | 内容 |
---|---|
2002 | 長男(11)を出産、埼玉上尾市で自宅近くに遺棄 |
2004 | |
埼玉県上尾市から東京都北区に引っ越す | |
次男(9)を出産 | |
2004/12 | 次男(9)を虐待→児童相談所が保護 |
2005/1 | 戸沼容疑者らの姿が消える |
2005/4 | 東京都北児童相談所が警視庁赤羽警察署に電話で調査依頼を出す |
2010/1 | 長女(3)を出産、大田区の民家に遺棄→住民が保護 |
2011/3 | 次女(2)を出産、大田区の公園に遺棄→通行人が保護 |
2012 | 東京都大田区田園調布に引っ越す |
2013/6 | 容疑者が大田区に住民票を届け出 |
2013/8 | 住民票が大田区に提出されたことを児童相談所が知る |
2013/9 | 児童相談所が警察に相談 |
2013/10/30 | 両容疑者を次女を遺棄した保護責任者遺棄罪で逮捕 |
2013/10/31 | 両容疑者を次女を遺棄した保護責任者遺棄罪で検察庁へ送検 |
2013/11/19 | 両容疑者を長女を遺棄した保護責任者遺棄罪で再逮捕 |
2014/1/15 | 両被告の初公判が開かれ、検察はいずれも懲役4年を求刑 |
2014/2/10 | 2人に懲役3年の実刑判決 |
合計4人の子供を産んでいた(11/1更新)
戸沼容疑者ら2人は、過去11年間で合計4人の子供を産んでいたことが判明。
2002年生まれの長男は放置され行方不明、2004年生まれの次男は虐待が確認され児童相談所に保護される、2010年生まれの長女は民家へ放置されその後に住民により保護、2011年の次女(今回の事件の女の子)は公園へ放置されその後に通行人により保護されました。
次男・長女・次女の3人は、現在適切な環境で暮らしているといいます。
次男、長女、次女は生存が確認されていますが、長男は死亡している可能性が高く、未だに(11/1 07:40現在)生死の正式な確認は取れておりません。ただし、容疑者らは「死んだ後に遺棄した」と供述しています。
次男に関しては、2004年に夫婦が病院に連れて行ったところ、虐待の痕があったことから病院が児童相談所に通報。病院から虐待を受けているという情報を得た児童相談所が戸沼容疑者らの家を訪問、保護したといいます。
その際、住民票では一緒に生活しているはずの長男が見当たらないことが発覚し、児童相談所が事情を聞いたところ戸沼容疑者らは「生まれて数ヶ月で親戚に預けた」と話しました。
児童相談所はその後、詳しく調べようとしましたが、戸沼容疑者らはすぐに行方をくらましたとのことで、翌年に親戚に確認したところ預けられた事実は無かったとのことです。
警視庁は、長男に関しても虐待をしていた可能性があるとみて、さらに追求していく方針です。
近所の人などの話
公園の近くに勤める人
「親がまた来るのではないかという話で、(警察が)監視カメラをつけて、1ヶ月か2ヶ月ぐらい監視してましたね。そういう話が他の公園でもあって、また監視カメラをつける、みたいなこと言ってました」
通報者の家族
「母親が犬の散歩をしていた時に、赤ちゃんが泣いているということで、呼び止められて、それで見に行ったら赤ちゃんが毛布にくるまった状態で見つかったということで、そこで警察に連絡したそうです」
容疑者を知る人
「(夫は)サラリーマン風で、白いワイシャツにネクタイして。不思議なところはない、普通」
「(妻は)髪の毛は黒髪でバサッとした人で、派手な感じはしない、地味だよ」
近所の人
「ベンチの上に。包まれて、おくるみに。へその緒もついていたって。(泣き声は)ミャーミャー言うぐらいで。公園に来た人が見つけて」
十数年来の知り合い
「私がね、もっとね、彼女の行動とかをきちんと見てて、何かしらのサインに気付いてあげてれば、結果も変わったのかな、って思うんですよ。長男の命を助けてあげられたかもしれないし。彼女がこんなに罪を犯すこともなかったと思うんですね。彼女なんかはたぶん私しか本当に友達がいないと思うんですよ。嘘つかれてて、頼ってもらえなかったわけでしょ。ものすごくショックなんですね」
「長男が生まれる1~2ヶ月前に旦那(戸沼英明容疑者)が仕事を辞めてるんですよ。ただのデブで、『外に出たくない』と。こんな体で。口では辛いと言っていても、(戸沼千恵美容疑者は)結局旦那のことが好きで、親権を理由に旦那と別れたくないのかな、と思ってた」
さらに、戸沼千恵美容疑者は、逮捕前日にこの友人とメールのやり取りをしていました。
夫婦は両方とも凄くゲームが好きだったといい、いつもゲームの話ばかりしていたようで、以下のようにゲームを招待するようなメールを送ってきたようです。
「Gメールで私に送って。dmm招待したいの」
現場付近の地図